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法人譲渡例その8|都内新宿区|金融機関借入なし|事務所引継ぎ可の不動産会社の売却

2024年4月5日
譲渡例(今までのケース)

はじめまして、不動産会社専門のM&A仲介サービス、レスマを運営する株式会社インフィニティライフの郡司です。


弊社は自社でも不動産仲介業を営んでおり、M&A仲介のノウハウと掛け合わせて、不動産会社専門のM&A仲介サービスを提供しています。

アドバイザーも不動産業界に精通しており、宅建取得者も多くいます。業界ごとの色や特徴に合わせて的確にアドバイスをし、成約に導いています。

不動産会社を経営する方の中には、「自社を売却する」「事業を切り離す」「M&Aをする」ということは大きな会社がすることで、自分には関係がない…と感じている方が多くいらっしゃると感じています。

しかし、

・不動産会社を閉業したいが、従業員やお客さんのことを考えるとやめることができない

・体調面に不安があるが、引き継ぎ手がいない(後継者不足)

・別の事業に集中したい


という方にとっても、株式売却・持分譲渡・事業売却は1つの選択肢となります。売却やM&Aをすることとは、どのようなことなのか、それにより得られるものは何なのか、当ブログではご紹介していきます。


今回は、東京23区内のとある不動産会社のM&Aをご紹介いたします。


売り手さまからお問い合わせをいただいてから、実際の譲渡に至るまでのプロセスを是非ともご覧ください。


不動産会社の概要

・事務所の所在地

東京都新宿区


・業種

売買仲介、買取再販


・従業員

1名:オーナーさまのみ


・直近期売上高

0万円


・純資産

-360万円程度

★案件ページはこちらをクリック

会社の売却(M&A)を決めたきっかけ

現在は不動産事業を稼働しておらず、高齢のため廃業を考えていた

この売り手様からご連絡をいただいたのは、2023年12月ごろでした。

事業をたたもうかと考えていたときに弊社のサービスが目にとまり、M&Aを検討していただきました。

売り手様は70代後半の方。
元々不動産業界におり、約20年前に独立し、売買仲介をメインに運営されておりました。
近年では買取再販をメインに行なっておりましたが、新型コロナウイルスの影響と自身が高齢になったことから、思うような利益が出ず、直近での稼働はなくなり廃業を検討されておりました。
廃業を進める中で、弊社のサービスを知っていただき、まずは話を聞いてみたいとお問い合わせいただきました。

お問い合わせから募集のスタートまで

売手様からはお電話でお問い合わせいただきました。同じ区内ということもあり、すぐに事務所に伺い打合せを行いました。

M&Aを検討することが初めてとのことでしたので、会社の売却方法や交渉の流れ、相場の目安、ご準備いただく書類や資料など丁寧に説明をさせていただきました。
今回の売手さまのようにM&A自体が初めてという方がほとんどですのこの初回のお打ち合わせでご不明点やご不安を解消していただけるようご案内しています。

詳しくお話を伺うと、もともと廃業を検討されており、不動産事業は今期は稼働しておらず3月には廃業をする、という状況でした。

M&Aでは所有不動産や管理物件が主な譲渡資産となることもありますが今回はそれらも保有していなかったので法人免許のみが主な譲渡対象となりました。

やはりここで、「それでも売れるのか?」「いくらで売れるのか?」とご質問いただきました。

M&Aでは「定価」の概念がないので、売り手様のご希望を伺い、譲渡金を設定することとしました。


昨今、不動産業者数は数年連続で増加しています。

新しく不動産会社を作ることが一般的ですが、不動産会社を買収して設立・免許取得の手間や時間を省略してすぐに始めたい、という買手さまは弊社の周りだけでも多くいらっしゃいます。


また、免許番号がいくつか増えた状態で始められることもメリットになります。

その他にも、

・既存の銀行口座を使用できる

・取引先を引き継げる

・既存の什器や備品を利用できる

など、買収費用がかかってもプラスの面を大きく感じていただくことが多いのが不動産会社のM&Aです。


また、今回は、金融機関の借り入れはありませんが、役員の短期借り入れがあること、また以前ご友人と一緒に事業をされていたことがあり、その際にご友人に貸付した短期貸付金の扱いをどうするのかがポイントとなりました。

募集開始〜基本合意まで


募集準備


まず、売り手さまには最低限以下のような資料を準備をいただいております。


・決算書や確定申告書
・定款、謄本
・賃貸借契約書

など


これらをご準備いただいて、弊社で「企業概要書」を作成します。案件として買い手となる候補者さまにご紹介するときにこの資料を用います。

資料を作成するにあたり、売り手さまにヒアリングをしながら、私もこの法人に対する理解を深めました。候補者さまからはさまざまな視点から質問を受けることになるので、可能な限り理解をし、すぐに返答ができる状況を整えて、募集を開始します。


募集開始、市場の反応


概要書を作成し終え、必要資料も整い、ヒアリングも一通り完了したところで、いよいよ募集開始です。

弊社では、いくつかの募集チャネルを用いて候補者さまにアプローチをしています。


・過去にご縁をいただいたお客さまに直接ご案内する
・弊社のホームページに掲載する
・M&Aのプラットフォームサイトなどを用いる
・広告等を利用する


募集金額は100万円程度からスタートしましたが、各方面にアプローチをしてすぐ、10者ほどの候補者さまが興味を示してくださいました。


トップ面談〜基本合意

候補者の方々には企業概要書をご覧いただいたり、質疑応答を繰り返したりして事前に売手法人様の情報をある程度ご理解いただくように進めています。

更にお話を進めたいという候補者の方々が最終的には2者いらっしゃったので、売手さま含めての面談をすることとなりました。

候補者さまは、どちらも、現在は不動産以外の会社を経営されておりますが、不動産関係の仕事依頼もあり、これまでは別の会社様に委託していたことを、自身でもできるようにしたいという方でした。

売り手様はスピードを重視されておりましたので、すぐに売手様の事務所で面談を実施いたしました。

両者とも面談の当日には、先に進めたいとご連絡をいただきました。
本件は、役員借入金、短期貸付金については、売手様買手様双方に、デメリットが少なくなるようスキームをご提案し、両者とも納得していただくことができました。

両者から手があがったため、売手様にどちらの方とお話を進めたいか確認したところ、面談の中で、売手様も引き続き事業に携われるようご提案していただいた1番はじめに面談していただいた方と進めることで合意いたしました。

譲渡を進めていく中で、当初は年齢もあり引退を考えていた売主様も、継続して事業に携わりたいとの想いが強くなっていました。その中で、その気持ちを察してくださり、良い条件で継続のお話をいただいた1番目の方の印象がとても良かったとのことでした。


この時点で「基本合意」を売り手さま、候補者さまの間で締結します。

基本合意とは、簡単に言えばM&Aの中で、譲渡契約の成約に向けてこれから動いていきましょう、という意思表示のようなものです。

それまで不特定多数の候補者とやりとりをしていたものを、この方のみとのやりとりにする「単独交渉」のフェーズもこの基本合意後になることが一般的です。


DDから譲渡契約、決済まで

DD(デューディリジェンス)


基本合意を締結した後、M&Aの成立・完了に向けて本格的にさまざまな動きをすることになります。その中でも特に重要なことがDD(デューディリジェンス)、いわゆる「企業調査」です。


これは、労務や法務・税務などさまざまな面において、この企業を引き継ぐリスクがないのかをチェックするために行います。

場合によっては弁護士、会計士、税理士の方に入っていただくこともあり、規模も大小さまざまです。


今回は、案件自体がほとんど運営していなかったこともあり、買手様もそこまで調べなくても問題ないとのことで、大掛かりなDDは不要でした。

譲渡契約および決済は2月上旬に決まりました。この譲渡契約成立まで、お問い合わせから1ヶ月弱の時間を要したことになります。



一般的に譲渡までどのくらい時間がかかる?


弊社のサービスをご利用いただく場合、募集開始から成立まで、概ね3ヶ月程度が平均してかかる期間になります。

ある程度、譲渡のタイミングをイメージしているようであれば、そこから逆算してお問い合わせをいただければ、理想のM&Aを実現することができるかもしれません。

決済(クロージング)

決済当日


2月上旬、ついに決済の日を迎えます。

売手様の事務所にて、決済を実施いたしました。
物品の引き渡しや譲渡金のお支払いは1時間程度で完了し、無事に決済が完了しました。

登記の手続きについては、買手様で行うことになり、売手様も同行するという流れになりました。

終わりに


今回の売り手さまは、顧問税理士との話の中で、M&Aという手段を知り、会社をたたむことなく譲渡することができました。


精算をするにも、費用がかかります。また、什器類を撤去するなど、費用だけではなくそれ相応の手間もかかります。

M&Aという選択肢をとると、それはそれで別の手間が発生することはありますが、無駄な出費を抑えることができ、場合によっては譲渡金が入ります


・年齢面や体調面で引退を考えている
・経営状態が芳しくない
・後継者がいない
・別事業にお金、マンパワーを集中させたい

上記のように考えている不動産会社の経営者さまは多くいらっしゃるはずです。
M&Aという選択肢を是非とも知っていただき、ご縁があれば当社にお問い合わせくださいませ。


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