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法人譲渡例その4|東京23区内で数年稼働していない不動産会社の売却

2024年2月10日
譲渡例(今までのケース)

はじめまして、不動産会社専門のM&A仲介サービス、レスマを運営する株式会社インフィニティライフの伊礼です。


弊社は自社でも不動産仲介業を営んでおり、M&A仲介のノウハウと掛け合わせて、不動産会社専門のM&A仲介サービスを提供しています。

アドバイザーも不動産業界に精通しており、宅建取得者も多くいます。業界ごとの色や特徴に合わせて的確にアドバイスをし、成約に導いています。


不動産会社を経営する方の中には、「自社を売却する」「事業を切り離す」「M&Aをする」ということは大きな会社がすることで、自分には関係がない…と感じている方が多くいらっしゃると感じています。


しかし、

・不動産会社を閉業したいが、従業員やお客さんのことを考えるとやめることができない

・体調面に不安があるが、引き継ぎ手がいない(後継者不足)

・別の事業に集中したい

という方にとっても、株式売却・持分譲渡・事業売却は1つの選択肢となります。売却やM&Aをすることとは、どのようなことなのか、それにより得られるものは何なのか、当ブログではご紹介していきます。


今回は、東京23区内のとある不動産会社のM&Aをご紹介いたします。

売り手さまからお問い合わせをいただいてから、実際の譲渡に至るまでのプロセスを是非ともご覧ください。


不動産会社の概要

・事務所の所在地

東京都大田区


・業種

売買仲介、賃貸仲介


・従業員

2名:オーナーさま+業務委託の従業員


・直近期売上高

0万円


・純資産

900万円程度


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会社の売却(M&A)を決めたきっかけ

特に稼働しておらず、田舎に引っ越そうと考えていたため


この売り手さまからご連絡をいただいたのは、2023年の10月ごろでした。

事業をたたもうかと考えていたときに弊社のサービスが目にとまり、M&Aを検討していただきました。


売り手さまは60代で、年齢面・体力面を鑑みて引退を決意されていました。

大手不動産会社から独立し、石川県で開業、その後東京に移転し合計30年以上不動産事業の経営をされていました。多いときには社員60名、売上高60億円規模の会社を経営されていたこともある売り手さまでしたが、今の会社はほとんど稼働をせず、後継者もいらっしゃらないということでこのタイミングで準備を進めていました。


お問い合わせから募集のスタートまで

売手様からはお電話でお問い合わせいただき、早速打ち合わせをされたいとのことで売手様の事務所に伺わせていただきました。

これまでにも一度M&Aを検討されたことがあったようで、買いたいというお声はかかっているとのことでしたが具体的に進めようとお考えになったのは今回が初めてとのことでした。

譲渡までには売手さまにご準備いただく書類や資料がいくつかありますので丁寧に説明をさせていただきました。

今回の売手さまのようにM&A自体が初めてという方がほとんどですのこの初回のお打ち合わせでご不明点やご不安を解消していただけるようご案内しています。

詳しくお話を伺うと、基本的に営業活動はほとんど行っておらず、知人などから取引の依頼があった際に稼働している、という状況でした。

そのため従業員なども雇用せずにほぼお一人で運営していました。

M&Aでは所有不動産や管理物件が主な譲渡資産となることもありますが今回はそれらも保有していなかったので法人免許のみが主な譲渡対象となりました。

やはりここで、「それでも売れるのか?」「いくらで売れるのか?」とご質問いただきました。

不動産会社はそれでも売れます!というより”それが欲しい”という買手さまの声が多いのです。

昨今、不動産業者数は数年連続で増加しています。

新しく不動産会社を作ることが一般的ですが、不動産会社を買収して設立・免許取得の手間や時間を省略してすぐに始めたい、という買手さまは弊社の周りだけでも多くいらっしゃいます。

また、免許番号がいくつか増えた状態で始められることもメリットになります。

昨今、不動産業者数は数年連続で増加しています。

新しく不動産会社を作ることが一般的ですが、不動産会社を買収して設立・免許取得の手間や時間を省略してすぐに始めたい、歴史のある会社を引き継ぎたい、管理物件のある会社を引き継ぎたい、という買手さまは弊社の周りだけでも多くいらっしゃいます。

その他にも、

・既存の銀行口座を使用できる

・取引先を引き継げる

・既存の什器や備品を利用できる

など、買収費用がかかってもプラスの面を大きく感じていただくことが多いのが不動産会社のM&Aです。

募集開始〜基本合意まで


募集準備


まず、売り手さまには最低限以下のような資料を準備をいただいております。


・決算書や確定申告書
・定款、謄本
・賃貸借契約書

・管理物件一覧表
など


これらをご準備いただいて、弊社で「企業概要書」を作成します。案件として買い手となる候補者さまにご紹介するときにこの資料を用います。

資料を作成するにあたり、売り手さまにヒアリングをしながら、私もこの法人に対する理解を深めました。候補者さまからはさまざまな視点から質問を受けることになるので、可能な限り理解をし、すぐに返答ができる状況を整えて、募集を開始します。


募集開始、市場の反応


概要書を作成し終え、必要資料も整い、ヒアリングも一通り完了したところで、いよいよ募集開始です。

弊社では、いくつかの募集チャネルを用いて候補者さまにアプローチをしています。


・過去にご縁をいただいたお客さまに直接ご案内する
・弊社のホームページに掲載する
・M&Aのプラットフォームサイトなどを用いる
・広告等を利用する


募集金額は400万円程度からスタートしましたが、各方面にアプローチをしてすぐ、3者ほどの候補者さまが興味を示してくださいました。


トップ面談〜基本合意

候補者の方々には企業概要書をご覧いただいたり、質疑応答を繰り返したりして事前に売手法人様の情報をある程度ご理解いただくように進めています。

更にお話を進めたいという候補者の方々が最終的には2者いらっしゃったので、売手さま含めての面談をすることとなりました。

候補者さまは、
・現在不動産業以外の会社に勤めていて、初めての事業をチャレンジする方
・既に不動産事業を展開しており、事業拡大を図る企業さま

普段はZoomなどを用いてオンライン面談を実施することも多いのですが、買手さまのご希望により対面で実施しました。

それぞれの候補者さまも真剣に検討をしてくださっておりましたが、決算内容に修正申告が必要な部分があることや、譲渡金の交渉があり、結局折り合いがつかずに両社とも一度見送りとなりました。

しばらくして別の方からご連絡があり、急ぎで不動産会社を引き継ぎたいから早速面談をしたいという連絡でした。

売り手様にも説明し、また譲渡金の交渉があることも伝えましたが、スピード感があったこと、以前の2名が見送りとなったこともあり快諾いただき面談となりました。

買い手様は概要書などの資料で詳細まで検討済みであったため、譲渡を進める前提でい様々打合せを行いました。月内で譲渡契約を完了させることを条件に譲渡金も250万までの減額で合意となりました。


この時点で「基本合意」を売り手さま、候補者さまの間で締結します。

基本合意とは、簡単に言えばM&Aの中で、譲渡契約の成約に向けてこれから動いていきましょう、という意思表示のようなものです。

それまで不特定多数の候補者とやりとりをしていたものを、この方のみとのやりとりにする「単独交渉」のフェーズもこの基本合意後になることが一般的です。


DDから譲渡契約、決済まで


DD(デューディリジェンス)


基本合意を締結した後、M&Aの成立・完了に向けて本格的にさまざまな動きをすることになります。その中でも特に重要なことがDD(デューディリジェンス)、いわゆる「企業調査」です。


これは、労務や法務・税務などさまざまな面において、この企業を引き継ぐリスクがないのかをチェックするために行います。

場合によっては弁護士、会計士、税理士の方に入っていただくこともあり、規模も大小さまざまです。


今回は、案件自体がほとんど運営していなかったことや、買手様もM&Aの経験もあったためにそこまで調べなくても問題ないとのことで、そこまで大掛かりなDDは不要でした。


ですが基本合意から譲渡契約予定日までは3週間もなかったため売り手様にも書類や資料の準備などご協力いただくことも多くありましたがとても迅速に協力いただき、スムーズに交渉や相談も進めることができました。


譲渡契約および決済は1月末に決まりました。この譲渡契約成立まで、お問い合わせから3ヶ月半程度の時間を要したことになります。


一般的に譲渡までどのくらい時間がかかる?


弊社のサービスをご利用いただく場合、募集開始から成立まで、概ね3ヶ月程度が平均してかかる期間になります。


ある程度、譲渡のタイミングをイメージしているようであれば、そこから逆算してお問い合わせをいただければ、理想のM&Aを実現することができるかもしれません。

決済(クロージング)


決済当日


1月末、ついに決済の日を迎えます。


物品の引き渡しや譲渡金のお支払いは1時間程度で完了し、無事に決済が完了しました。

これからの動きや状況の整理などの打ち合わせを売手様・買手様とで行い、お二人での次回打合せを調整して解散となりました。

長年会社勤め、会社経営をされてきましたが、今後は田舎のほうでご夫婦でゆっくりされると仰っていました。

そのバトンをしっかりと受けた買い手さまは、これからさらに活躍されることと思います。


終わりに


今回の売り手さまは、ご紹介からM&Aという手段を知り、会社をたたむことなくご勇退することができました。


精算をするにも、費用がかかります。また、什器類を撤去するなど、費用だけではなくそれ相応の手間もかかります。

M&Aという選択肢をとると、それはそれで別の手間が発生することはありますが、無駄な出費を抑えることができ、場合によっては譲渡金が入ります


・年齢面や体調面で引退を考えている
・経営状態が芳しくない
・後継者がいない
・別事業にお金、マンパワーを集中させたい

上記のように考えている不動産会社の経営者さまは多くいらっしゃるはずです。
M&Aという選択肢を是非とも知っていただき、ご縁があれば当社にお問い合わせくださいませ。


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