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法人譲渡例その1|埼玉県で18年続けてきた不動産会社の売却

2023年12月5日
譲渡例(今までのケース)

はじめまして、不動産会社専門のM&A仲介サービス、レスマを運営する株式会社インフィニティライフの高木です。


弊社は自社でも不動産仲介業を営んでおり、M&A仲介のノウハウと掛け合わせて、不動産会社専門のM&A仲介サービスを提供しています。

アドバイザーも不動産業界に精通しており、宅建取得者も多くいます。業界ごとの色や特徴に合わせて的確にアドバイスをし、成約に導いています。


不動産会社を経営する方の中には、「自社を売却する」「事業を切り離す」「M&Aをする」ということは大きな会社がすることで、自分には関係がない…と感じている方が多くいらっしゃると感じています。


しかし、

・不動産会社を閉業したいが、従業員やお客さんのことを考えるとやめることができない

・体調面に不安があるが、引き継ぎ手がいない(後継者不足)

・別の事業に集中したい

という方にとっても、株式売却・持分譲渡・事業売却は1つの選択肢となります。売却やM&Aをすることとは、どのようなことなのか、それにより得られるものは何なのか、当ブログではご紹介していきます。


今回は、埼玉県南部地区のとある不動産会社のM&Aをご紹介いたします。

売り手さまからお問い合わせをいただいてから、実際の譲渡に至るまでのプロセスを是非ともご覧ください。


不動産会社の概要

・事務所の所在地

埼玉県南部、駅徒歩10分程度


・業種

売買仲介


・従業員

1名(オーナーさまのみ)


・直近期売上高

ほぼ0円


・純資産

100万円程度


★案件ページはこちらをクリック


会社の売却(M&A)を決めたきっかけ

年齢や体調面を考えなくてはいけなかった

この売り手さまからご連絡をいただいたのは、2023年の9月末、もう何日かで10月を迎える、というタイミングでした。

実は、すでに法人の精算、もしくは休眠を考えて手続きを進めようとしていたそうです。


というのも、すでに売り手さまは70代半ばを迎え、いくつか病気も発覚してしまい、体力やモチベーションははまだあるものの、年齢面・体調面を鑑みて引退を決意されていました。

大手不動産会社から独立して約20年、途中紆余曲折ありながらも経営を続けてきたそうですが、後継者もおらず、このタイミングで準備を進めていた売り手さま。


お問い合わせから募集のスタートまで

そんな中、レスマのサービスを知っていただき、弊社の事務所にお電話をいただいたのが最初の接点でした。

たまたま私が電話をとり、そのままお話をしていたところ、ご信頼をくださってそのままご利用いただくこととなりました。

私がたまたま埼玉の出身であったことも、決めての1つになったのかもしれません。


募集前に何度か事務所に伺いましたが、中はとても綺麗で、業務用のデスクや椅子も良い状態でした。応接間もしっかりとしたつくりで、引き継いですぐにお客さんを呼べる環境が整っていました。


しかしながら、運営はほぼしておらず、教会への供託金と物件の敷金くらいしか資産がなく「本当にこのような状態でも買い手が現れるのか?」と売り手さまは半信半疑でした。


運営自体がされていない状態でも不動産会社を買収したい人は多い

実際、このような状況であったとしても、買収したいという方は多くいらっしゃいます。

この記事を見ている方はご経験があるはずですが、不動産業をはじめるためには、(個人事業として始める場合を除いて)法人を設立して、宅建業の免許を取得しなければいけません。

しかし、すでに不動産業を営む不動産会社をM&Aすれば、それまでの手間や、かかる費用を、会社を買収することでカットすることができるからです。

もちろん、買収に費用が発生する可能性があることや、宅建士が退任する場合は採用をしなければならないですが、その差し引きでプラスに感じてくださる方が多いのです。


また、この法人はすでに宅建業の免許を2度更新していました。そのような歴史も、買収する際のポイントとしてみてもらえるケースがあります。


募集開始〜基本合意まで

募集準備

まず、売り手さまには最低限以下のような資料を準備をいただいております。


・決算書や確定申告書
・定款、謄本
・賃貸借契約書

など


これらをご準備いただいて、弊社で「企業概要書」を作成します。案件として買い手となる候補者さまにご紹介するときにこの資料を用います。

資料を作成するにあたり、売り手さまにヒアリングをしながら、私もこの法人に対する理解を深めました。候補者さまからはさまざまな視点から質問を受けることになるので、可能な限り理解をし、すぐに返答ができる状況を整えて、募集を開始します。


募集開始、市場の反応

概要書を作成し終え、必要資料も整い、ヒアリングも一通り完了したところで、いよいよ募集開始です。

弊社では、いくつかの募集チャネルを用いて候補者さまにアプローチをしています。


・過去にご縁をいただいたお客さまに直接ご案内する
・弊社のホームページに掲載する
・M&Aのプラットフォームサイトなどを用いる
・広告等を利用する


募集金額は250万円程度からスタートしましたが、各方面にアプローチをしてすぐ、3〜5者ほどの候補者さまが興味を示してくださいました。
売り手さまにも反応が好調であることを伝えると「本当に買収をしてくれるという人がいるのか」とても驚いていました。


トップ面談〜基本合意

少し時間を経て、反応も上々、その中でも特にご興味をいただいた候補者さまと、売り手さま含めて面談をする機会を設けることになりました。


最終的には3者、面談をすることとなりました。三者三様の候補者さまで、


・現在不動産会社に勤めていて、独立を希望している方
・別事業を展開しており、不動産事業を始めたい地元の企業さま
・すでに不動産会社を運営しており、他店舗展開を希望する企業さま


普段はZoomなどを用いてオンライン面談を実施することも多いのですが、売り手さまがご高齢でこのような手法が不慣れであったこともあり、すべて対面で実施をしました。


それぞれの候補者さまも真剣に検討をしてくださっておりましたが、最終的には1者に絞らなくてはいけません。
その中で、売り手さまにとっては「スピード」を優先したいと考えており、この軸で候補者さまを決めることになりました。


というのは、すでに運営はほぼ止まっているものの、事務所は賃貸しているテナントなので家賃だけは発生しています。ずっと手出しが続いてしまうことを避けるため、スピードはとても重要な要素でした。


最終的に決まったのは、すでに不動産会社を運営している法人の代表者さまでした。
スピード感も売り手さまのご希望通りに動いてくださるということで、売り手さまも安心してお話を進めることができました。


この時点で「基本合意」を売り手さま、候補者さまの間で締結します。

基本合意とは、簡単に言えばM&Aの中で、譲渡契約の成約に向けてこれから動いていきましょう、という意思表示のようなものです。

それまで不特定多数の候補者とやりとりをしていたものを、この方のみとのやりとりにする「単独交渉」のフェーズもこの基本合意後になることが一般的です。


DDから譲渡契約、決済まで

DD(デューディリジェンス)

基本合意を締結した後、M&Aの成立・完了に向けて本格的にさまざまな動きをすることになります。その中でも特に重要なことがDD(デューディリジェンス)、いわゆる「企業調査」です。


これは、労務や法務・税務などさまざまな面において、この企業を引き継ぐリスクがないのかをチェックするために行います。

場合によっては弁護士、会計士、税理士の方に入っていただくこともあり、規模も大小さまざまです。


今回は、案件自体がほとんど運営していなかったことや、バランスシートの資産、負債構成もシンプルであったため、そこまで大掛かりなものは不要でした。


決算がちょうど9月末にあり、最新期の決算書および確定申告書が出るタイミングに差し掛かっていたため、この点もスムーズに進むことができた要因の1つでした。


未払いの税金や、計上されていない退職金の引き当て等もなく、すべてのチェックが完了し、譲渡金は200万円ということで、無事に譲渡契約を締結することの合意に至りました。


譲渡契約および決済は11月末に決まりました。ここまで、お問い合わせからちょうど2ヶ月程度の時間を要したことになります。


一般的に譲渡までどのくらい時間がかかる?

弊社のサービスをご利用いただく場合、募集開始から成立まで、概ね3ヶ月程度が平均してかかる期間になります。


ある程度、譲渡のタイミングをイメージしているようであれば、そこから逆算してお問い合わせをいただければ、理想のM&Aを実現することができるかもしれません。

決済(クロージング)

決済当日

11月末、ついに決済の日を迎えます。


物品の引き渡しや譲渡金のお支払いは1時間程度で完了し、無事に決済が完了しました。これくらいの規模では、意外とすんなり終わるケースが多いです。「こんなものなのか」と言う方も中にはいます。

その後、簡単に引き継ぎをし、この日は全員で事務所を後にすることとなりました。


約20年間、ほとんどの期間をこの事務所で過ごした売り手さま。

ここ最近は、前職時代の後輩や、独立後に関わりのできた関係者の方に誘っていただき、好きなお酒を飲む機会が多く嬉しいこともある、しかしながら、やはり寂しい気持ちも強い、と仰っていました。

そのバトンをしっかりと受けた買い手さまは、これからさらに活躍されるのではないでしょうか。


終わりに

今回の売り手さまは、すでに精算を決めていたものの、直前にM&Aという手段を知り、このような結末を迎えました。


精算をするにも、費用がかかります。また、什器類を撤去するなど、費用だけではなくそれ相応の手間もかかります。

M&Aという選択肢をとると、それはそれで別の手間が発生することはありますが、無駄な出費を抑えることができ、場合によっては譲渡金が入ります


・年齢面や体調面で引退を考えている
・経営状態が芳しくない
・後継者がいない
・別事業にお金、マンパワーを集中させたい


上記のように考えている不動産会社の経営者さまは多くいらっしゃるはずです。
M&Aという選択肢を是非とも知っていただき、ご縁があれば当社にお問い合わせくださいませ。


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