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法人譲渡例その18|東京23区北西部|スピード重視の法人譲渡

2024年9月25日
譲渡例(今までのケース)

こんにちは、不動産会社専門のM&A仲介サービス、レスマを運営する株式会社インフィニティライフの郡司です。


弊社は自社でも不動産仲介業を営んでおり、M&A仲介のノウハウと掛け合わせて、不動産会社専門のM&A仲介サービスを提供しています。

アドバイザーも不動産業界に精通しており、宅建取得者も多くいます。業界ごとの色や特徴に合わせて的確にアドバイスをし、成約に導いています。


不動産会社を経営する方の中には、「自社を売却する」「事業を切り離す」「M&Aをする」ということは大きな会社がすることで、自分には関係がない…と感じている方が多くいらっしゃると感じています。


しかし、

・不動産会社を閉業したいが、従業員やお客さんのことを考えるとやめることができない

・体調面に不安があるが、引き継ぎ手がいない(後継者不足)

・別の事業に集中したい

という方にとっても、株式売却・持分譲渡・事業売却は1つの選択肢となります。売却やM&Aをすることとは、どのようなことなのか、それにより得られるものは何なのか、当ブログではご紹介していきます。


今回は、東京23区内のとある不動産会社のM&Aをご紹介いたします。

売り手さまからお問い合わせをいただいてから、実際の譲渡に至るまでのプロセスを是非ともご覧ください。


不動産会社の概要

・事務所の所在地

東京23区北西部


・業種

不動産売買、不動産コンサルティング


・従業員

1名:オーナー様のみ


・直近期売上高

約2,700万円


・純資産

約1300万円程度


会社の売却(M&A)を決めたきっかけ

体調面を考え廃業を検討していた。


この売り手さまからご連絡をいただいたのは、2024年の6月の下旬ごろでした。


売り手さまは60代前半の方で、現在も精力的に活動されてはいるものの、少し前に入院していたことから、将来的な不安を感じ、後継者もいないことから廃業の準備をしていたところ、弊社のサービスが目にとまり、M&Aを検討していただきました。

これまで不動産コンサルティングをメインで行っており、現在でも多くの案件を抱えていらっしゃいます。すでに廃業の準備はしているため、とにかくスピード重視だが、法人と免許が欲しいという買い手さまがいらっしゃれば、是非引き継ぎをしたいと仰っていました。

お問い合わせから募集のスタートまで

売り手さまからはお電話でお問い合わせいただき、すでに事務所の解約通知を出したということで、早めにお話しをお伺いしたいということで、その日のうちに事務所に伺いました。

M&Aを検討することが初めてとのことでしたので、会社の売却方法や交渉の流れ、相場の目安、ご準備いただく書類や資料など丁寧に説明をさせていただきました。

今回の売り手さまのようにM&A自体が初めてという方がほとんどですのこの初回のお打ち合わせでご不明点やご不安を解消していただけるようご案内しています。

詳しくお話を伺うと、金融機関の借入はすでに返済、役員の借入もない、車は名義を変更し手続きする予定、事務所にはすでに解約通知を出したとのことでした。売り手さまは、昨年入院したこともあり、このまま一人で続けて行った場合、自分に万が一のことがあったらお客様が困るので、知り合いの会社に移り、そこでこれまでの仕事を続けていくとお考えでした。そのため、買い手さまの条件としては、
・商号を必ず変更すること
・事務所は移転
・コンサルティングを行うことは不可

の、3つが必須条件でした。

M&Aでは所有不動産や管理物件、引継ぎ人材が主な譲渡資産となりますが、今回は宅建業者免許が主な譲渡対象となりました。

ここで、「何も残らないけどけど買い手はいるの?」とご質問をいただきました。

買い手さまにとってメリットと感じるものは様々です。引継ぐものが何もない状態でも、免許番号を引き継げること、事務所が継続できてすぐに事業を始められることが買手さまにとって魅力の一つとなります。

昨今、不動産業者数は数年連続で増加しています。

新しく不動産会社を作ることが一般的ですが、不動産会社を買収して設立・免許取得の手間や時間を省略してすぐに始めたい、という買手さまは弊社の周りだけでも多くいらっしゃいます。

また、免許番号がいくつか増えた状態で始められることもメリットになります。

その他にも、

・既存の銀行口座を使用できる

・取引先を引き継げる

・既存の什器や備品を利用できる

・既存の事業とのシナジー効果がある

など、買収費用がかかってもプラスの面を大きく感じていただくことが多いのが不動産会社のM&Aです。

募集開始〜基本合意まで


募集準備


まず、売り手さまには最低限以下のような資料を準備をいただいております。


・決算書や確定申告書
・定款、謄本
・賃貸借契約書

など


これらをご準備いただいて、弊社で「企業概要書」を作成します。案件として買い手となる候補者さまにご紹介するときにこの資料を用います。

しかし、今回は「2週間以内に買い手が見つからなかった場合は、宅建業免許は返納する」と、事前に伺っており、細かい概要書は作成せず、募集を開始しました。


募集開始、市場の反応


いよいよ募集開始です。

弊社では、いくつかの募集チャネルを用いて候補者さまにアプローチをしています。


・過去にご縁をいただいたお客さまに直接ご案内する
・弊社のホームページに掲載する
・M&Aのプラットフォームサイトなどを用いる
・広告等を利用する


譲渡金額は250万円で引き継ぎは宅建業免許のみの案件として弊社のお客様に募集しましたが、1時間ほどで複数の候補者さまが興味を示してくださいました。


トップ面談〜基本合意

候補者の方々には決算書をご覧いただいたり、質疑応答を繰り返したりして事前に売手法人様の情報をある程度ご理解いただくように進めています。

すぐにでもお話を進めたいという候補者さまがおり、その方とのみお話しを進めることにしました。

買い手候補者さまには事前に売手法人の条件や希望、譲渡時に引き渡しとなるものをお伝えしていたため、すべての条件を飲みますということでお話しを進めることになりました。


この時点で「基本合意」を売り手さま、候補者さまの間で締結します。

基本合意とは、簡単に言えばM&Aの中で、譲渡契約の成約に向けてこれから動いていきましょう、という意思表示のようなものです。

それまで不特定多数の候補者とやりとりをしていたものを、この方のみとのやりとりにする「単独交渉」のフェーズもこの基本合意後になることが一般的です。


DDから譲渡契約、決済まで


DD(デューディリジェンス)


基本合意を締結した後、M&Aの成立・完了に向けて本格的にさまざまな動きをすることになります。その中でも特に重要なことがDD(デューディリジェンス)、いわゆる「企業調査」です。


これは、労務や法務・税務などさまざまな面において、この企業を引き継ぐリスクがないのかをチェックするために行います。

場合によっては弁護士、会計士、税理士の方に入っていただくこともあり、規模も大小さまざまです。


今回は、買い手さまにて決算書等で財務状況は把握され、譲渡スキームなどの調整がメインでした。

新事務所探しや、事務所引き渡しなどの期日もあり、7月下旬譲渡契約、8月中旬引き渡しと話がまとまりました。


この譲渡契約成立まで、お問い合わせから1ヶ月程度の時間を要したことになります。


一般的に譲渡までどのくらい時間がかかる?


弊社のサービスをご利用いただく場合、募集開始から成立まで、概ね3ヶ月程度が平均してかかる期間になります。今回は大きな負債があること、譲渡までの時間に期限があったため、当初は候補者が見つかりづらいかと思っていましたが、募集してから1週間で多くの方々からお問合せをいただきました。候補者が見つかってからは概ね1ヶ月というスピードでお話がまとまりました。


ある程度、譲渡のタイミングをイメージしているようであれば、そこから逆算してお問い合わせをいただければ、理想のM&Aを実現することができるかもしれません。

決済(クロージング)


決済当日

8月中旬、ついに決済の日を迎えます。

まずは売り手さまの事務所にて書類の引き渡しを行い、その後場所を変えて、司法書士立会いのもと登記書類に署名捺印を行いました。
今回は、代表者退任、事務所移転、商号変更を行い、無事決済を完了しました。

今回は短い期間でのスピード重視の株式譲渡となりましたが、売り手さまの事前の準備や譲渡までに行っていただく手続きなど、素早くご対応いただき、1ヶ月弱での譲渡となりました。
スピード重視だったため、売り手さま買い手さま双方で細かくお打ち合わせしたりする時間がなかなか取れず、メール等での対応が主となっておりましたが、譲渡日は約2時間ほど、これまでの仕事やこれからのことなの、色々とお話しされていらっしゃいました。

ご縁があってサポートさせていただいた双方が、これからさらに活躍されることを願っています。

終わりに


今回の売り手さまは、FAXDMからM&Aという手段を知り、廃業することなく、経営権をお譲りし、引き続き事業に携わることができました。


廃業をするにも、費用がかかります。また、什器類を撤去するなど、費用だけではなくそれ相応の手間もかかります。

M&Aという選択肢をとると、それはそれで別の手間が発生することはありますが、無駄な出費を抑えることができ、場合によっては譲渡金が入ります


・年齢面や体調面で引退を考えている
・経営状態が芳しくない
・後継者がいない
・別事業にお金、マンパワーを集中させたい

上記のように考えている不動産会社の経営者さまは多くいらっしゃるはずです。
M&Aという選択肢を是非とも知っていただき、ご縁があれば当社にお問い合わせくださいませ。


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