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不動産業の中でも、不動産仲介業とはどのような仕事を行っている企業なのでしょうか。ここでは、不動産仲介業の概要や近年の動向、不動産仲介業の経営者の特徴などについて解説します。
公益財団法人不動産流通推進センターがまとめた「2024 不動産業統計集」によれば、不動産業の法人数は、378,460となっており、全産業の法人数の12.9%を占めます。
不動産業の業務は、大きく分けて4つに大別できます。
不動産仲介 | 売却希望者(売り手)と購入希望者(買い手)を仲介 |
不動産売買 | 不動産の購入消費者への直接販売 |
不動産管理 | 賃貸マンション・アパート、土地などの管理業務 |
不動産賃貸 | 保有している不動産を貸出す |
不動産仲介業は、不動産賃貸の仲介事業と不動産売買を含みます。
不動産売買は、個人向けの住宅や土地、法人・個別投資家向けの不動産の売買を取り扱います。
一方、不動産仲介業では、売り手と買い手のマッチング(仲介)を行うことで、手数料収入を得ます。
また、不動産仲介業を営むためには宅地建物取引業の免許が必要となります。
人口減少は、不動産仲介業にも大きな影響をもたらしています。
その理由は、不動産仲介業の取引がライフステージの変化と密接にかかわっているからです。
不動産仲介業の収入減である仲介手数料が発生するのは、売り手と買い手のマッチングが成立したときですが、人口が減少すると独立・結婚・家族の増加といったイベントの機会が減少するため、転居などが発生しにくくなります。
そのため、賃貸契約が不活発になり仲介業の収入が頭打ちになる可能性があります。
同時に、住宅の新規需要が減少するため、もう一つの収入源である不動産売買の収入も減少する恐れがあります。
また、地方では人口流出のスピードが加速することで過疎化が深刻化し、不動産ニーズが減少する可能性が高まっています。
かつてに比べて不動産のニーズが減っていることを示すのが、空き家の増加といってもよいでしょう。
三大都市圏など人口が多い地域では、地方ほど人口減少の影響は出ていませんが、競争が激化することで収益が減少する恐れも否定できません。
加えて、2020年以降に見られるコロナ禍の影響で、不動産業者の業績は悪化してしまいました。
不動産仲介業の市場規模は決して小さくない業界ですが、厳しい経営環境に置かれているといってよいでしょう。
全宅連不動産総合研究所が行ったアンケート調査によると、事業者の37.4%が従業者1名(代表者のみ)で事業を行っており、5名以下の事業者は全体の93.2%を占めました。
売上高を見てみると、専業の27.1%は500万円未満であり、約半数の事業者の売り上げは1,000万円未満となっています。
人数で見ても売上高で見ても、規模が小さいのが不動産仲介業の大きな特徴といえます。
宅地建物取引業の免許保有者を見てみると、60歳以上の比率が全体の40%以上を占めています。
規模が小さく、免許保有者である代表者が引退する際に、廃業を考えたとしても不思議のない状況だといえるでしょう。
事業継続の意思がない場合、今の会社をどのようにするべきでしょうか。
廃業を考える方も少なくありませんが、廃業前にM&Aの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
ここでは、M&Aを実施する際の売り手側のメリットについてまとめます。
不動産仲介業界では、少子化と人口減少により後継者不足が問題となっており、後継者問題を解決できない事業者が、廃業を検討する原因となっています。
特に、内部から後継者を確保しにくい小規模な中小企業において顕著な問題です。
M&Aを利用することで、社内や親族で後継者を確保できなかった事業者であっても事業を存続させられる可能性が見えてきます。
M&Aを通じて適切な事業の承継者・承継会社を得ることができ、会社の廃業を回避できるからです。
M&Aを検討する不動産仲介業者の数は年々増加しています。
企業が事業を持続するには、M&Aを積極的に活用し、次世代に引き継ぐ体制を整える必要があるのです。
M&Aで事業を売却することで、現経営者は金銭的な収入を得られます。
売却によって得た収入は、残っている借入金の返済に充てることも可能です。
これにより、現経営者の経済的負担の軽減につながります。
また、引退後の生活資金としても活用できるため、現経営者は経済的に安定した状態で引退できます。
さらに、企業価値が高く評価されるほど、売却によって得られる利益は大きくなるでしょう。
このように、M&Aを通じて会社を売却することは、現経営者にとって事業継承の悩みを解決するだけでなく、金銭的な利益も得られるのです。
M&Aを選択した場合、廃業コストの支払いをせずに済むというメリットもあります。
賃貸物件で事業を営んでいた場合、事務所を閉鎖する際、設備の処分費用や物件の原状回復にかかる費用を負担しなければなりません。
原状回復費用は、坪あたり数万円から10万円程度必要とされているため、物件が広いほど費用がかさみます。
故人で保有している物件であったとしても、設備の処分費や弁護士や税理士などへの依頼費用が必要となるかもしれません。
しかし、M&Aで事業を売却できれば、これらの費用を負担する必要がなくなります。
従業員の雇用を確保できる点も、M&Aを活用するメリットです。
自分以外の従業員を雇用して事業を行っている経営者にとって、廃業は従業員の生活に関わる重要な問題です。
なぜなら、廃業してしまうと従業員の雇用が失われる可能性があるからです。
M&Aを活用することで、従来の事業を継続し、従業員の雇用を守ることができるでしょう。
しかも、事業が存続することは地域の顧客にとってもメリットがあります。
慣れ親しんだ店舗で、不動産の仲介を受けられるからです。
M&Aは従業員の雇用と、地域の顧客の需要を守る手段でもあるのです。
これまで見てきたように、M&Aは売り手である不動産仲介業の経営者にとって大きなメリットをもたらす手段です。
しかし、円満にM&Aを成功させるにはM&Aの専門家による協力が必要不可欠です。
なぜなら、法律や税制面でのサポートが必要だからです。
主な専門家は以下のとおりです。
M&Aの専門業者 | 売り手と買い手の仲立ちをするM&Aに関するアドバイス全般を担う |
公認会計士 | 財務の専門家財務デューデリジェンスを担当 |
税理士 | 税務の専門家税務デューデリジェンスを担当 |
弁護士 | 法務の専門家法務デューデリジェンスを担当 |
特に、M&A全体を見通せる専門業者の存在は、M&Aが上手くいくか行かないかのカギを握っているため非常に重要です。
今回は、不動産仲介業のM&A、特に売り手のメリットにスポットを当てて解説しました。
不動産仲介業自体の市場は広いものの、事業規模が小さいことや宅地建物取引主任者の資格を持っている事業主の高齢化など、注意すべき点が多い業界でもあります。
適した後継者がいない場合、多くの事業主が廃業を選択するかもしれません。
廃業するくらいならM&Aを行った方が経済的にも、従業員の雇用という点でもメリットがあります。
しかし、M&Aをどのように進めればよいか、不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
不動産会社専門のM&AプラットフォームであるReSMA(レスマ)は、これまで数多くのM&Aを成功させてきた実績を持っています。
M&Aを検討しているのであれば、ぜひ一度、レスマに相談してみてはいかがでしょうか。
詳しくは、ReSMAに直接お問い合わせください。
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